2010年01月12日

友人への手紙

土日でスキーに行ってきたので、余った月曜日は午前中にジムで汗を流し、午後は山で亡くなった友人の墓参り。
感傷的にはなりたくはないのだけど、あの事故からもう8年が経ちました。


「ゆーじへ」

あれから9回目の冬がやってきました。
生きていれば33歳になっているのだろうか? 今は会社で部下を指導する係長くらいの役職で働いているんだろうか? 
僕は辞め時、落としどころを探しながらも、まだ細々と続けています。
みっちょんは今や3人のママです。こいつだけは絶対に山はやめないだろうと思っていた不死身の太田も、07年の事故をきっかけに足を洗い、川崎で平和な日常を過ごしています。

一時期、晴れている土日に東京にいるだけで非常に損した気分がしていたやたら突っ張っていた僕も、気がつけば、晴れた土日に家で過ごし、海の見える高台に立って、風を感じるのもまたいいなぁと思うようになりました。丸くなったなと感じることもあります。
日々の仕事に疲れた夜は、好きなクラシックギターの曲を聞いたりもするし、自転車で風を感じながら走るのも好きです。
道端の何気ない風景をカメラに収めたりもしています。

ところで何年か前からカヌーを始めました。水平の世界も違った楽しみがあり、楽しいです。まだ友人から借りたりしているので、大きなことを言えるわけではないのだけど、いずれは天塩川みたいなゆるい流れの中をこいでみたいと思っています。(まだ、奥只見や奥利根で漕ぐ程度だけれども。)
夜には焚き火を囲み、満天の星空を見ながらウイスキーをちびちびやるのもいいね。ノラ・ジョーンズの曲も合うかもしれないな。


君はまだ山を登っているのだろうか。
7畳しかない汚い部屋で口角に泡をつけて議論しあったあの時間が忘れられません。その中の1つの計画でもあった黒部横断〜剣沢大滝は5年前に登ったけど、これだけで残りの人生を幸せに過ごせそうなほど、充実した時間を過ごせました。

当時27歳だった僕は気がつけば人生の折り返し点が近づいています。これからの半分をどのように過ごすべきなのか、今、すごく悩んでいます。
多くの友人が夢を追い、海外に赴任したり、新たな挑戦を始めたりしているのに、僕は新しい一歩を躊躇し、踏み出せずにいます。自分に対して腹ただしいと感じることもあります。
そんなとき、君だったら、どんな回答をしてくれるだろうか? 「そういうときこそ山ですよ」なんて言ったりするのかな?

もう少しあがいて、そして苦しんでみます。
その苦しんだ分だけ、得られるものがあるはずだから。

また夏に来ます。
写真も持ってくるよ。


posted by gorge13 at 01:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月15日

命というものに必ず付随する奇妙な矛盾

登山とは、自分の限界に近い、もしくは幸運がなければ登れないようなラインをどうにかして「自分の力で」登って帰ってくるものである。「不合理な計画を成し遂げるために、合理性を積み重ねていく行為だ」という言葉は正しい。現場ではとにかく無駄を省き、トータルな安全のためには、目の前の危険にすら目をつむるのに、そんな窮地に自分を追い込んだ、正気の沙汰とは思えない計画を立てた自分には、なんら疑問を挟まない。
命というものに必ず付随する奇妙な矛盾が登山には分かりやすく表れている。僕らは死ぬような目にあった上に生き残りたいのだ。

服部文祥 「日本の登山家が愛したルート」より
posted by gorge13 at 05:36| Comment(0) | TrackBack(0) | Word | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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