2016年07月03日

魂に響くゴルジュ・険谷登攀レファレンス(その7:北アルプス)

■黒部・剱・立山■
 黒部川流域における志水哲也氏の踏査は、マネのできないものだ。「大いなる山・大いなる谷」、「黒部へ-黒部八千八谷に魅せられて-」(共に白山書房)の2冊にほとんどすべての谷が紹介されている。地域研究としての取り組みのせいか、必ずしも完全突破にこだわっていない所もあるが、ほとんど単独で行われた数々の記録は、今なお光り輝くものばかりだ。岳人626では氏が黒部川流域の谷の初登攀についての記事を寄せている。
【早月川・常願寺川水系】
岡部一彦氏が渓谷登攀の対象として掲げた3本のうち、池ノ谷ゴルジュ、称名廊下の2つを持つ。
○池ノ谷ゴルジュ
・岳人171
・岳人180/182
・岳人260
・立命館大山岳部「暮雪」6
・山渓436
・山渓533
・岩雪56
・未発表(77 米澤弘夫・久保園達也・岸川芳久)
・きりぎりす8(02 青島靖・成瀬陽一・松原憲彦)

○称名滝
・岩雪161(1993 中尾政樹・黒川溶三郎・宮本健)['93 dieライン]
・未発表(1997 松本貴宏・森元拓自)[オールフリー]
・野良犬通信6(1998 青島靖・成瀬陽一)
・さゎわらし5(2000 鮎川正・佐藤裕介)
・きりぎりす8(2002 松原憲彦・日下出)  
・さゎわらし7(2002 佐藤裕介、松本貴宏)[四段目初登]
・山渓?(2003 澤田実・山岸尚将・木下徳彦)[四段目第二登]
・山渓?(2003 澤田実・山岸尚将・木下徳彦)[全四段完登]
・未発表(? 太田幸介・山田)[全四段完全]
・未発表(宮城公博)[四段目単独]
・未発表(宮城公博・藤巻浩)[全四段完登]
・岳人?(大西良治)[全四段完登・単独]



○称名廊下
・岳人206(64 大阪岳友会)[行方不明者捜索]
・野良犬通信6(98 青島靖・成瀬陽一)[中・上ノ廊下]
・野良犬通信7(99 青島靖・成瀬陽一)[下ノ廊下(中退)]
  おそらく日本で最後まで残るであろう大ゴルジュ。下降も出来なければ、溯行も出来ない。青島靖氏の「ザクロ谷は、称名川の子供だった」という言葉が指すように、圧倒的水量と氷水のような水が溯行を難しくしている。下ノ廊下は未登だが、中・上ノ廊下は98年溯行された。称名滝は、最下段の登攀に課題を残すものの、上部3段はオールフリーによる登攀がなされるなど、登るだけで良かった時代から、スタイル重視の時代へと移りつつある。

DSC02885.JPG


○称名川ザクロ谷 
・日本百名谷
・岳人318
・北陸の渓流
・DOPPEL21
・岳人573/野良犬通信2(94 青島靖・岩崎慶訓・朝山豊明)
・未発表(95 松本貴宏・川嶋)
・日本の渓谷98/99(98 本図一統、古山正文)
・岳人667(01 成瀬陽一・松原憲彦)
・未発表(2004 鮎川正・佐藤裕介・崎田律子)
・北アルプスの谷(2004 木下徳彦・太田幸介)
  初登から30年経った今も、単なる架け替えルートにはなっていないハードなゴルジュ。

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○鍬崎山大迫戸谷                                   
・溯行8・9

【黒薙川水系】
  95年7月の豪雨で埋められた北又谷魚止滝周辺も回復の兆しが見えてきた。又右衛門滝に続く廊下は面白い。廊下を埋めた雪渓の上を歩いても、柳又谷の本当の難しさは分からない。クラガリ峡の深廊ノ滝が姿を現わしてからの突破を狙いたい。前衛の小川支流尾安谷はおそらく未登。打谷中谷も意外な険谷。

○恵振谷
・日本の渓谷97
・わらじ8/FN33
・ALPINE00

○漏斗谷                                       わらじ8/FN33
・溯行21

○柳又谷                               
・日本百名谷
・関東周辺の沢
・山渓84.8
・山渓??(94 天野良夫・飯泉俊一・海津正彦)
・岳人423(81 矢崎裕巳・田山益穂)
・岳人461/471(85 金子利三・宮尾新治・金沢善一・菊池秀明・牧倫郎)
・岳人481
・岳人560(93 清水裕・伊藤琢・岩崎慶訓・朝山豊明)[深廊ノ滝を登攀]
・岳人626
・未発表(97 日下出)   など多数

○北又谷                               
・きりぎりす8(02 青島靖・鮎川正・崎田律子)[又衛右門滝〜上部ゴルジュ] 
                                    など多数

【黒部川水系】
  もし黒四ダムがなかったら、どの支流にも下ノ廊下を経由しないと入れなかった訳で、そう考えてみれば、黒部川の凄さを改めて感じるだろう。ところで中尾政樹氏の唯一の記録(山渓83.2)を除いて、剱沢と棒小屋沢、あるいは新越沢と別山谷をつないだ黒部横断を試みる人が現われないのは、沢登りの「大いなるマンネリ傾向」の表われか? 

○黒部川下ノ廊下
・山渓90.1(辰野勇・島添誠)[カヤックによる下降]
  想像を絶する激流をカヤックで下ったという記録を見るのみ。

○剱沢
・黒部別山
・山渓81.6
・山渓81.11[下降]、
・岩雪56
・岩雪58(77 池上昌司)[単独]
・岳人580
・岳人605
・岳人668/きりぎりす5(01 成瀬陽一・松原憲彦)
・チーム84HP(02 沢田実・小林浩)
・未発表(02 佐藤裕介・松本貴宏)[3泊4日でチンネも登攀] 
・岳人?(2005.05 木下徳彦・野村勝美)[D滝右壁を初登]
 ケタ違いのスケールを誇る大ゴルジュ。初登から40年たった今も、簡単と言う声は聞こえない。

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剱沢大滝D滝にトライする(2005.05 撮影:野村勝美)

○トサカ沢
・岳人314
・岳人317
・岳人462

○棒小屋沢
・岳人326
・岳人583(95 岩崎慶訓・朝山豊明) 
・未発表(2004 加藤・青山方子)
・未発表(2007 木下徳彦・太田幸介)[下降]

○新越沢
・日本の渓谷97、
・岳人666/きりぎりす8(02 松原憲彦・日下出)  

○東谷
・溯行12

○弥太蔵谷下部                

○尾沼谷
・日本の渓谷98/99(98 中島春樹)
・きりぎりす8(02 青島靖・鮎川正)[ほぼ水線通しに登攀] 
  下部廊下の完全突破はなされていない?

○サンナビキ谷
・溯行21(01 岩崎慶訓・朝山豊明)
  ポイントとなるアプローチは、志水氏は尾根を乗越して取付いているが、岩崎氏は、
  出し平ダムを泳ぐという究極の取付き方で対処している。

【後立山東面・高瀬川】
○小滝川西俣沢
・岳人366
  明星山南壁下を流れる川の源流。ツメまで続くゴルジュに、ダメ押しの様に大滝を
  懸ける。

○高瀬川北葛沢
   「渓游−100号突破特集号−」(渓游会)

○高瀬川西沢         

○高瀬川川九里沢左俣
・溯行11

○高瀬川川九里沢右俣
・岳人284/溯行6(70 中庄谷直・川元航一・川端利彦・川崎実)

○有明山・深沢
・岳人436[左俣溯行〜右俣下降]
・クライミング・メイト・クラブHP[右俣]

■穂高周辺■
 下又白谷は、穂高には珍しい登攀系ゴルジュ。無雪期の滝谷下部も立派で、大正時代に登られていたことに驚く。

○穂高・下又白谷
・岳人223
・CJ25
・さゎわらし6(01 青島靖・三宅雄一)
・きりぎりす8(02 木下徳彦・野村勝美・西田重人)


posted by gorge13 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゴルジュ突破やろうぜ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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